顔一面が毛で覆われる希少疾患「狼男症候群」を抱え、母国イギリスで壮絶な偏見に晒されてきた少女ルナ。学校からは入学を拒否され、実の父親からも見捨てられるという絶望の淵で、母娘は「心のバリアフリー」を掲げる日本へと渡った。神戸の街角で、偶然見かけた古びた理髪店。藁にもすがる思いで入店し、ルナがマスクを外した瞬間、頑固親父風の店主は眉一つ動かさず、ごく当たり前の客として彼女を温かく迎え入れた。「綺麗にしてやるからな」椅子に座ってわずか10秒、病気のことを一切詮索せず、ただプロの職人として優しくハサミを握った店主の手に、ルナの目から大粒の涙が溢れ出す。40分後、魔法のように美しく整えられた愛娘の顔と、店主の「これまで大変だったね」という一言に、母親も号泣。異国の地で初めて「一人の人間」として尊重された母娘は、日本の圧倒的な優しさに救われ、この地で生きていく希望を取り戻したのだった。