同級生に会った帰り道、少し沈んだ様子のおじいちゃんが家の玄関をくぐった。そのいつもより少ない言葉、伏せた視線に、おばあちゃんはすぐに気がついた。「どうしたの?集まりは楽しくなかったの?」おばあちゃんが優しく問いかけると、おじいちゃんは首を振った。「いや、懐かしい顔ばっかりでさ、昔話も盛り上がったよ。」そう答えるも、どこか元気は戻らない。ちょっとからかうようにおばあちゃんは微笑み、「じゃあ、昔好きだった人に会ったとか?」と言うと、おじいちゃんはまた静かに首を振った。それから少し考えついたようにおばあちゃんは、「もしかして……初恋の人に会ったとか?」と尋ねた。おじいちゃんは目線を外し、また無言で首を振った。しばらくの沈黙の後、おばあちゃんはやっぱり気になって「じゃあ、一体何があったの?」と問い詰める。やがて覚悟を決めたのか、おじいちゃんは隣に腰を下ろし、ふとおばあちゃんの横顔を見つめながら口を開いた。「……実は、昔の皆の写真を持ってきた人がいてね。その中で見つけたんだ。僕の若い頃の写真。隣には、君の笑顔があった。あの頃は、ただの同級生だった君が……今では、僕の全てだと気づいてしまったんだよ。」おじいちゃんのその一言に、おばあちゃんは少し赤くなりながらも、そっと笑顔を返した。