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桂銀淑の母——90年の生涯、最期の息まで娘を守り続けた。けれど、その最期は一人だった
2026/07/15
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紅白歌合戦に7年連続で出場した歌手、桂銀淑。その華やかな成功の裏には、何度も人に裏切られ、深い孤独と苦しみを抱えた人生がありました。婚約者には結婚直前に去られ、夫には多額の借金を残され、20年間信じ続けたマネージャーにも裏切られました。そして2007年、覚醒剤事件で逮捕され、世間から厳しい視線を浴びることになります。それでも、最後まで彼女のそばを離れなかった存在がいました。それが母でした。韓国の田舎町で、戦争孤児だった母に育てられた桂銀淑。幼い頃から母と姉を助けるために働き、「いつか母の願いを叶えたい」と歌手への道を選びました。日本でスターになった後も、彼女の心にはいつも母への思いがありました。成功しても、名声を得ても、「母のそばにいられないこと」が一番の苦しみだったのです。覚醒剤事件の後、85歳だった母は韓国から日本へ渡り、傷ついた娘を守りました。外出を制限し、服を隠し、危険な世界から遠ざけようとしたのです。それは母なりの必死の愛でした。しかし、2016年、母は90歳でこの世を去ります。最後の力を振り絞り、拘置所にいる娘に会いに向かう途中でした。桂銀淑は母の最期に立ち会えませんでした。「ずっと自分を支えてくれた母に、最後まで心配をかけてしまった」と、後に涙ながらに語っています。人生で多くのものを失った彼女でしたが、母から受け取った愛だけは消えることがありませんでした。母は最後の瞬間まで、娘を守る盾であり続けたのです。

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