2025年現役ドラフト第4回は、12球団から12名が選出される大きな動きとなった。阪神がヤクルトの外野手・浜田を指名し、オリックスと西武が平沼と茶野を入れ替えるなど、各球団が明確な補強ポイントを持って臨んだドラフトである。投手では巨人に松浦、日本ハムに菊地、ヤクルトに大道らが加わり、中継ぎ・先発の層を厚くする狙いが見える。しかし、最もファンの視線を集めたのは、阪神からロッテへ移籍する井上広大だろう。二軍では圧倒的な飛距離を誇りながら、一軍では出場機会に恵まれず、そのポテンシャルが語られることの方が多かった。ロッテでは細川成也と並ぶ右の長距離砲候補として、レギュラー争いのど真ん中に放り込まれることになる。井上がシーズンを通して四番、あるいはクリーンアップの一角を任されるようになれば、「細川になれる可能性」という評価は現実味を帯びる。現役ドラフトはもはや“余剰戦力の整理”ではなく、新たなスターを生み出す舞台となりつつある。井上をはじめとする12人が、2025年シーズンの勢力図をどう塗り替えるのか、開幕まで目が離せない。