驚くべき瞬間が訪れたのは、横浜対阪神の試合中。阪神の攻撃の際、打席には新井が立っていた。横浜の投手、藤江が全力で投じたストレートに対し、新井は強くスイング。しかし、打球はファウルとなり、驚くことにそのボールは捕手の鶴岡の左胸を直撃した。この強烈な当たりにより、鶴岡は苦痛の表情を浮かべてその場に崩れ落ちた。トレーナーが駆け寄り、鶴岡は防具を外しながらも地面に横たわっていた。心臓付近への一撃により呼吸が困難となり、意識を保っているものの、彼は息を整えようと必死だった。試合に戻りたいという彼の意志にもかかわらず、首脳陣の慎重な判断により、鶴岡は試合を退かなければならなかった。この出来事は、剛速球と向き合う捕手の危険性を改めて示した瞬間であった。