フォークグループ「アリス」として、そしてソロアーティストとして、数々の名曲を世に送り出してきた谷村氏。彼は公私にわたり、愛を歌い続けてきた。しかし、その裏では、家族との間に深い溝を抱えていた。長男は、過去に谷村氏の事務所内で盗撮事件を起こし、家族を崩壊の危機に陥れていたのだ。事件後、長男は谷村氏の支援を受けながら、京都で新たな生活をスタートさせた。しかし、その矢先、再び盗撮事件を起こしてしまう。この事件をきっかけに、谷村氏と長男の距離は決定的に。谷村氏は、長男への金銭的な支援を打ち切り、絶縁状態となった。晩年、谷村氏は「出会い、別れの瞬間に、人は大切な生きるテーマを与えられるのではないでしょうか」とブログにつづっている。愛を歌い続けた谷村氏。その歌は、彼自身への愛だったのかもしれない。