式秀部屋で繰り広げられた前代未聞の事件―9人もの力士が連鎖的に脱走したという衝撃の出来事が、相撲界の常識を揺るがせた。この背景には、何が隠されていたのだろうか。茨城県に拠点を置く式秀部屋は、1992年に創設された比較的新しい相撲部屋で、親方・式森が掲げた「明るく楽しく元気よく」の方針で注目を集めていた。しかし、2020年1月に親方が体調を崩し、女将が部屋運営を代行するようになってから事態は急変する。女将の「管理」は日に日に厳格化。荷物や私物のチェックから始まり、弟子たちのプライバシーを侵害する行動が次第にエスカレート。また、扇風機やシャワーの利用さえも許可制にされ、弟子たちは生活の自由を奪われる形となった。さらに、新米が女将の交友関係に流出し、弟子たちには劣化した米が提供されるという信じがたい状況も。