妹と二人で、滅多に訪れないような高級レストランへと足を踏み入れた。そこは重厚な扉の向こうに、静謐で洗練された空間が広がっていた。妹は少し緊張した面持ちで店内を見回し、席に着くと早速メニューを手に取った。 きらびやかな装飾が施されたメニューを開き、妹はそこに並んだ見慣れない漢字に目を凝らした。時折、眉間にシワを寄せ、唇を小さく動かしながら、一つ一つ丁寧に読み上げていく。まるで呪文を唱えているかのような、その真剣な表情。普段は生意気な妹の、意外な一面を垣間見て、私は思わずクスリと笑いをこらえた。「なんだよ、面白そうに見て。」 美味しい料理はもちろんのこと、妹の滑稽な姿は、最高のスパイスとなったのだ。