ある春の日、ティーさんは六十五歳で上場企業から退職した。彼は貯蓄2,500万円、そして夫婦合計で月22万円の年金があることから、安定した老後を確信していた。しかし、彼の平穏は図書館で偶然手にした投資の本に触発され、不動産投資を始めることで徐々に崩れ始める。初期は順調に見えたが、契約が変更されるにつれ家賃収入が減少し、やがて物件は空室に。支出が増え貯蓄が減少する中、自分の選択が失敗だったのか不安に苛まれるティーさん。彼はついに働くことを決意し、スーパーでの仕事を始める。老後の安定が生活のために働かざるを得ない現実に変わり、自身の経験を地域のマネー相談会で共有することで、老後の真の安心について啓発を続けている。