貞子は60歳で熟年離婚を経験し、孤独な日々を送っています。夫との結婚はかつては愛に満ちたもので、老後も共に過ごすことを楽しみにしていましたが、夫が家庭での役割を果たさないことが原因で離婚を決意します。離婚後、自身の選択が自由をもたらしたと感じつつも、孤独が日々の生活を影を落とします。息子は遠くに住み、介護の役割を担うことを望んでいないため、貞子は一人で日々の生活を営んでいます。ある日、貞子は駅の階段で転び、腰を負傷します。それがきっかけで外出がままならなくなり、料理教室や趣味の活動にも行けなくなります。孤独な食事や、誰からも電話がない状況に耐える日々の中で、貞子は徐々に自分を見つめ直し、自身の存在の意味を問いかけます。そして彼女は、一人で生きる辛さに向き合いながら、それでも人とのつながりを求める気持ちを胸に秘めつつ、日々を過ごしていくのでした。