横浜には、時の影を残す不気味な場所が三つある。まず、高台に佇む葱岸競馬場跡。かつて東洋一美しいと称され、明治天皇も訪れたその地は、関東大震災と戦争で廃墟となり、今は土が覆う巨大な跡地だけが静かに存在する。次に、鶴見区の赤い部屋を持つ廃ホテル。1985年に開業し、2008年に放棄された建物は落書きと破損が進み、赤い手形が壁一面に残る異様な光景が訪れる者を震えさせる。最後は日吉キャンパス地下の慶應義塾大学秘密要塞。深さ40メートル、総延長5キロの迷宮は旧海軍の指令部として使われ、戦時通信の痕跡を今に伝えている。歴史と恐怖が交錯する、横浜の静かな異界である。