約9万年前、九州全域が摂氏900度もの火砕流に飲み込まれ、大地は一瞬のうちに荒廃の光景へと変わった。その速度は時速400キロメートルに達し、森は焼け焦げ、川は沸騰。人々が逃げ遅れる余地もなく、全てが一瞬にして飲み込まれたのだ。この恐るべき破壊の力は、実は現在の美しい日本列島を形作る原動力であった。日本列島が生み出された秘密は、膨大な地質学的時間を超えて積み重ねられた「超巨大噴火」の歴史にある。太平洋プレート、フィリピン海プレート、そしてユーラシアプレートという三つの巨大な大地の板がぶつかる場所、それが日本列島だ。この衝突が原因で地下にたまったマグマが一気に噴出し、巨大なカルデラを作りながら繰り返す破壊と再生の連鎖が続いた。中でも、九州は特にその中心地だった。