1993年7月8日、東京皇居宮殿での歴史的なG7サミット晩餐会。冷戦後初の国際舞台には、世界中の首脳たちが集結していた。その中でひと際緊張感に包まれていたのが、結婚わずか1ヶ月、皇太子妃となったばかりの雅子さまだ。華やかさの中に隠された偏見。多くの海外要人や記者たちは、「日本の皇族はただの飾り」であるとの先入観を隠そうとしなかった。「特に、通訳も伴わずに自ら話せるはずがない」と、疑念と冷笑が雅子さまに突き刺さる。そしてついにその瞬間が訪れる。雅子さまが隣席のロシア・エリツィン大統領に目を向け、どこまでも静かな口調でロシア語を話し始めたのだ。その完璧な発音と堂々たる姿勢に、場の空気は一変。驚きに満ちた沈黙の中、大統領ですらしばし言葉を失った。