若き日の明石家さんまは、東京への進出を果たしたばかり。その時、ディレクターから「木のようにしゃべるな」と口撃されても、何も言わず耐える毎日だった。さらに「弥合足く」とバカにする別のディレクターにも、「三羽です」と何度も訂正するも、聞き入れられなかった。あの頃、大阪のお笑いは「箱根の山を越えられない」と揶揄されていたが、さんまは東京でじっくりチャンスを待った。そして数年後、ついにスターの座を獲得。偶然廊下で再会した意地悪ディレクターが「やっぱり売れると思ってた」と笑顔で抱きついてきた。しかし、さんまは心の中で苦々しさを感じつつも、その抱擁を素直に返した。