七十二歳の源次郎は、三十五年間地方公務員として地域の安全を守ってきた。退職後は、亡き父から受け継いだ屋敷と土地を大切に管理しながら、静かな毎日を送っていた。しかし、隣に建設された高級スポーツジムの利用客たちが、源次郎の土地にある緊急車両用スペースへ無断駐車を繰り返すようになる。注意しても「誰も使っていない土地だろう」と開き直り、ついにはジム経営者の佐島まで「時代遅れの考えだ」と彼を見下した。さらに源次郎が入院している間、駐車禁止の看板は壊され、敷地には勝手な駐車枠が描かれ、母が大切にしていた生垣まで破壊されていた。怒りを抑えた源次郎は、弁護士と職人の協力を得て静かに準備を進める。そしてジム一周年パーティーの日、敷地内に並んだ三十台以上の高級車を確認すると、特注の鋼鉄製門を閉鎖した。