甲子園で起きた七点差逆転劇は、単なる敗戦ではなかった。序盤、中日は打線がつながり、マラー投手も投打で躍動。七対ゼロとなった瞬間、ベンチには勝利を確信したような空気が漂っていた。だが、その余裕が悪夢を呼ぶ。細川を早々に下げた采配は、八回の満塁機で重くのしかかり、追加点を奪えないまま流れは阪神へ傾いた。七回に四点、八回に同点、そして九回には森下の一発で終戦。藤川監督すら言葉に詰まるほどの展開だった。試合後、井上監督は「話す内容がない」と沈黙した。七点差でも攻め続ける覚悟を失えば、勝利は一瞬で消える。その教訓だけが、甲子園に重く残った。