京都府南丹市で起きた安達結希さんの事件は、当初「少年の失踪」として報じられた。しかし、父親の安達優季容疑者が死体遺棄容疑で逮捕され、さらに殺害を認める趣旨の供述をしたことで、事件は一気に暗い核心へ向かった。学校へ送ったはずの朝、防犯カメラや位置情報は、容疑者の説明と食い違う動きを示していた。とくにスマートフォンや車の位置情報は、遺体や所持品が見つかった現場周辺と重なり、作られた“悲劇の父親”像を崩していく。さらに不可解なのは、息子の失踪を知った直後の沈黙だった。取り乱して探すのではなく、車内で過ごした空白の時間。その冷静さは、悲しみよりも何かを隠すための準備に見えた。遺産をめぐる疑惑、家族内の不和、そしてGPSが示した動かぬ足跡。結希さんの命を奪った闇は、家庭という密室の奥で静かに膨らんでいたのかもしれない。事件の全容解明が待たれる。