ラオスの首都ビエンチャンの不発弾展示施設において、静けさを破る瞬間が訪れました。何十年もの間、命を賭して地雷を処理し続けた日本人作業員の下谷大介さん。その引退の日、彼は皇族として初めて海外公務に臨む愛子様をご案内しました。展示室にはクラスター爆弾の模型やラクもない展示が並び、愛子様は一つ一つをじっくりと目を通されました。その様子から、単なる視察ではない深い共感が伝わってきます。静寂が支配する中、愛子様は下谷さんに近づき、深く一礼されました。「ここまで、本当にありがとうございます。」という一言。その言葉は儀礼的なものではなく、心からの敬意を込めたものでした。下谷さんの胸に宿った孤独と重圧は、その一言でほどけ、涙がこぼれました。愛子様の言葉が、彼の長年の努力と苦労に応えるものであったことは明白でした。その瞬間、展示室は単なる外交の場を超え、一人の人間の人生が報われる場となったのです。