1995年2月、神戸の避難所を訪れた両陛下の姿に、多くの国民は感動を隠せなかった。避難所には、多くの人々が不安な日々を送っていたが、そこにいた一人の少年が、ただならぬ緊張を感じつつも、陛下にステッチブックを差し出した。陛下は一瞬驚かれた表情を見せたが、すぐに心優しい笑顔とともにノートとペンを受け取り、「がんばってください」と大きな丁寧なひらがなで記す。その瞬間、少年は小さな声で「ありがとうございます」と答え、家族たちは感涙にむせび泣いた。取材中の記者たちは、陛下が自ら言葉を記されたことに衝撃を受け、少年に感想を求めると、少年はカイロみたいに手が震えた」と語った。母親は「息子はノートを大事に持ち歩き、陛下の書いてくださった言葉を見るたびに元気が湧いてくる」と語り、この出来事が避難生活で最も心温まる瞬間だったと振り返る。この出来事は、辛い日々を送っていた避難民たちに希望の光を届けた。