2008年10月15日、WBC監督選考会議が開催されました。加藤良三コミッショナー、王貞治コミッショナー特別顧問、楽天の野村克也監督、星野仙一氏らが出席しました。星野氏は北京オリンピックでの日本代表監督経験もあり、第2回WBCの監督候補として注目を集めていました。しかし、現役監督は難しいとの意見が広まり、星野氏の監督就任に対し、野村氏が異を唱え、星野監督誕生へのけん制を図りました。落合博道氏も監督の打診を断り、星野監督誕生にブレーキをかけました。そこで、当時シアトル・マリナーズで活躍中のイチロー選手が登場しました。イチローは、「最強チームを作るという一方で、現役監督から選ぶのが難しいのでは？ 本気で強チームを作ろうとしているとは思えない。大切なのは足並みを揃えること。北京のリベンジの場と捉えるのであれば、チームの足並みを揃えることなど不可能でしょう」とコメントしました。イチローは、代表チームの一体感の重要性を強調し、監督選考にも強い思いを持っていました。結果的に、イチローの発言が監督選考を再考させ、原辰徳氏が監督に就任。侍ジャパンは2大会連続で優勝することに成功しました。