2018年9月、雅子さまが集中豪雨で被災した福岡県の仮設住宅を訪問された際の出来事は、多くの人々に感動を与えました。そこには、住宅が流され生活の基盤を失った高齢者が多く居住していました。午前11時、両陛下が到着されると、住民たちは期待と興奮でいっぱいになりました。その中にいた97歳の古賀さんは車椅子に座り、じっと両陛下を見つめていました。車から降りられた雅子さまは、まず古賀さんのもとに歩み寄り、静かに膝をついて目線を合わせられました。古賀さんの手を優しく包み込み、「冷たくないですか、大丈夫ですか」と静かで優しい声で話しかけました。その瞬間、隣にいた天皇陛下も手を重ね、温かい雰囲気が広がりました。古賀さんは、娘に何度もその時のことを伝え、両陛下に励まされて長生きする決意を新たにしたといいます。この心温まる交流は、両陛下の温かさと雅子さまの人柄の素晴らしさを物語っています。