ボクは朝、目を覚ますと隣のベッドで優しいまなざしを向けるパパを見た。けれど、パパはスマホを手に取り、画面から目を離さない。その一言で、ボクの一日は止まった。玄関のドアが開き「ただいま」と声が響くと、パパの手がボクに伸び、温もりを伝える。16歳になったボクの目は白く濁り、でもパパの手に触れると安心する。ママが「最近帰り早いね」と笑う横で、ボクは静かに自分の存在を感じる。パパはもう「あとでね」とは言わない。その今だけの優しさを、ボクは胸に刻む。ずっと一緒にはいられない。でも、この瞬間の温もりが、ボクにとって何より大切なのだ。