エベレストより高い山が、なぜ地球に「できない」のか。答えは、単に山が足りないからではありません。エベレストは標高8849メートルですが、その高さでもなお限界の上に立っています。火星にはオリンポス山があり、地球の2.5倍近い高さを誇ります。小さな星に大きな山があるのは、重力が弱いからです。 地球では山が高くなるほど、自分の重さで根元が押しつぶされます。ハワイのマウナロアでは、山の重みで海底が8キロも沈んでいました。さらにヒマラヤでは、インド大陸が押し続けても、氷河が上部を削り、山頂を雪線の高さに抑え込みます。 しかし近年、エベレスト近くの川が大地を削ったことで、山は軽くなり、むしろ15~50メートル持ち上がったと考えられています。削られながら高くなる――それが地球の山の宿命です。