花火大会帰りの道路は大渋滞。こちら側はまだ動いているものの、反対車線は交通規制で、あと30分は動かないだろうとのアナウンスが流れる。そんな中、前方から救急車のサイレンが聞こえてきた。「これは、早く通してあげないと!」前の車に続いて進んでいると、右側の駐車場から一台の白いハイエースが右折しようと車体を半分道路に出しているのが見えた。どう見ても、全席満員のようだ。「これは、しばらく動かないな…」諦めかけたその時、ハイエースの運転手が窓から身を乗り出し、「すみません!通してください!」と大きく手を振って道を譲ってくれたのだ。「ありがとうございます!」お礼を言うと、運転手は満面の笑みで「オッケーです!」と返してくれた。さらに助手席の女性も窓を開けて「ありがとうございます!」と深々と頭を下げてくれた。今まで、道を譲ってきたことは何度もある。しかし、こんなにも丁寧にお礼を言われたのは初めてだった。心が温かくなる、そんな出来事だった。