皇室の伝統は、正式な場面で内親王だけが着ることが許される特別な着物、小ジアカに象徴されています。この着物には愛子さまのために込められた深い想いがあります。染の地らの代表である高橋代蔵氏は、2004年の夏、道智子様から愛子内親王の小ジアカ製作を依頼されました。美智子さまが選ばれた衣装には、古代中国で王者のみが身に纏うとされていた法王の刺繍が施され、松竹梅を絡めた文様がお印として背中に加えられています。この細部へのこだわりは、深い愛情から来ていると言えるでしょう。高橋氏は後に明篠み屋家の長女と次女のおジアカも手がけましたが、それらには鶴の刺繍があしらわれていました。愛子さまの着物は皇太子さまの娘としての特別な位置づけから、鶴よりも格上の法王が選ばれたのです。この選択は、美智子さまの愛子さまに対する特別な思いを示しています。