老いてからの家庭内別居は、想像以上に残酷だ。長年連れ添った夫婦でも、会話が消えた瞬間から関係は静かに壊れていく。第一の末路は、同じ家にいながら他人より遠い存在になること。挨拶すら減り、夫婦なのに最も気を使う同居人になってしまう。第二は、孤独が慢性化すること。配偶者はいるのに安心感はなく、完全な一人でもない。その中途半端な孤独が、心を少しずつ削っていく。第三は、どちらが先に限界を迎えるかの消耗戦になること。改善も別れも選ばず、ただ耐え続けるだけの日々。老後に最も残酷なのは、向き合わなかった後悔なのだ。