夜も更け、部屋の中は静寂で満たされていた。ベッドの中でスマホを触っていた妻は、すぐ隣に横たわっていた。「ねえ、あなた、寒いわ」と彼女が囁くように言った。その声に気付き、私はすぐスマホを置き、布団を引き寄せて妻の身体にしっかりとかけた。「ほら、これで寒くないだろう?」と優しく声をかける。しかし、妻の表情はどこか不安げで答えた。「ううん……まだ寒い。冷たい風が吹いているみたい。」私は不思議に思い立ち上がり、部屋の隅々を確認する。窓はしっかりと閉じているはず、一体どこから冷たい風が吹いているのか。床に置いた家具の間、カーテンの隙間、全てを確かめたが異常は見当たらない。しかし、確かにその冷たい感覚は部屋の中に漂っていたのだ。突然、背筋に寒気が走る。「もしかして……」と張り詰める空気の中で、振り返ると、窓はわずかに開いていた──その窓が閉まっていないはずはなかったのに。