外は40度を超える。 それでもクーバーピディの朝は、地下の玄関を開けた瞬間から静かに始まる。窓のない寝室、ひんやりした空気、そして一年中およそ23度。ここでは家は建てるものではなく、岩を掘ってつくるものだ。人口は約1500人。1915年、14歳の少年が拾った一粒の石が、町の運命を変えた。光にかざすと虹色に変わるオパール。その発見以来、人々は砂漠に穴を掘り続け、今では世界中から多くの住民が集まっている。地上には25万以上の穴が残り、油断すれば命取りになる。地下の家には換気筒が立ち、壁には掘削の跡が模様のように残る。電波は届きにくく、住民はアンテナを立てて工夫する。仕事の合間には地上へ出て、土を払いながら観光客を迎える。土曜の夜はドライブ・イン・シアター、日曜には静かな眠りが待つ。ここには、砂漠の厳しさと地下の安らぎが共存している。