事件当日の朝、防犯カメラには、継父・足立勇気が誰もいない助手席へ笑いかける異様な姿が残されていた。まるで、ゆき君を学校へ送る父親を演じるかのように。その後、学校から「登校していない」と連絡が入ると、実母と継父はすぐに捜索へ走らず、車内で十五分もの沈黙を共有したという。さらに、発見されたリュックは雨の後にもかかわらず不自然に乾いていた。GPS記録、欠勤連絡、ノロウイルスを理由にした事前の休み――すべてが偶然とは思えない。祖父母の遺産をめぐる疑惑の中、十一歳の少年が消された本当の理由に、捜査の目が向けられていく。