雅子さまのお着物の帯には深い秘密が秘められていました。1993年6月9日、天皇陛下と雅子さまの華やかなご成婚が行われ、その日、奇跡的な日差しの中で美しいパレードが実現しました。雅子さまの華麗なる姿は、国民の心をつかみました。しかし、その前の4月12日、雅子さまのご実家である小和田家では、一般的な結納にあたる納采の儀が行われました。雅子さまは、皇太子妃として相応しい振る舞いで臨まれ、小金色に輝く随雲模様の大振り袖をお召しになりました。幸せを予兆する雲模様の着物に加えて、お締めになった帯は、道智子さまがご婚約時に同じく締められた由緒ある朱色の丸帯でした。この帯は、皇室へ嫁ぐ雅子さまへ贈られたもので、かつて美智子さまが皇室入りの際に受け取られた、高貴な帯でした。当時の美智子さまの心遣いが、雅子さまへと思いを託したに違いありません。