1950年代は、戦争や時代の制約の中で愛し合う男女の悲恋が描かれた名作が数多く誕生した軌跡の時代です。「また会う日まで」では空襲下で出会った若き恋人たちの別離を、象徴的なガラス越しのキスシーンで鮮やかに見せました。「君の名は」は再会を誓いながらすれ違い続ける男女の宿命が戦後メロドラマの原点となりました。「野菊のごとき君なりき」では純朴な青年と年上の女性の淡く切ない想い。「絶頂」は貧しい女性と地主の息子の身分差が生む悲劇、それを愛と信念で超えようとする姿が描かれています。どれも鮮烈な映像美と切ない余韻が心を打ちます。