リゾートホテルのバーベキュー会場で、誠が仕込んだ最高級の肉と酒が四人の緊張を溶かしていった。海風に揺れる麦わら帽子の下、千尋の淡いピンクのキャミソールが汗ばむ肌に密着する様に、和也は思わず喉を鳴らした。食材が尽きたと偽って厨房へ消えた眉を追うように、誠も姿を消した。残された二人の間に淀んだ空気が流れる。千尋が突然「かずやくんの夜の生活は?」と核心を突く質問を投げかけ、白い指先が和也の膝に触れた瞬間、理性の糸が切れた。カーテンの隙間から漏れる声。キッチンで誠と絡む妻の姿を目撃しても、もう後戻りはできない。千尋の柑橘系の香水に包まれながら、展望デッキのベンチで抱き合う二人。隣では潮風がおかしい音を運んでいく。「次は別の場所で」と囁き合う和也たちの背後で、頬を赤らせた眉が誠にしがみついていた。波の音に紛れた四重奏は、夕暮れまで続いた。帰路の車中、互いの配偶者を隣に乗せながら交わす男たちの視線には、新たな「夢」が渦巻いていた。