田舎道で出会ったあの日、俺、中島竜太が直したのは、ぼろぼろの車。運転していたのは品のあるおばあさんだった。「ありがとうね」と何度も感謝されただけで、俺は普段通りの日常に戻った。そう、これも人助けの一環だと思ってたんだ。だが、数日後には驚きの招待状が届いた。「長谷川産業」の会長からだった。指定された場所に行ってみると、迎えてくれたのはなんとあのおばあさん。「あなたは特別な技術を持っているわ」と、俺を会社の新しいプロジェクトに誘ってくれたんだ。父親譲りのこの手、田舎工場のためだけに使うにはもったいないなんて、すごいことを言ってくれる。