ある土曜日、私は産婦人科の待合室で立っていた。妊娠6ヶ月目でお腹が少し出始めたところ。いつもは平日に通院していたが、夫の仕事が忙しく、初めての土曜通院だった。待合室は満員で、立っている妊婦さんもちらほら。そんな中、不意に診察室から派手なギャルママが現れた。彼女は待合室をざっと見渡すと、ずっとスマホをいじっていた旦那さんに歩み寄り、「なんであなたが座ってて、他の妊婦さんたちが立ってるの?」と鋭い声で詰め寄った。そして、履いていたスリッパで彼を軽く叩き、一同は唖然とした。彼はしゅんとしながら席を立ち、立っていた妊婦さんに譲った。その様子を見た他の付き添いの人たちも次々と席を譲り始めた。結果、全ての妊婦さんが座ることができるようになったのだ。後にスーパーでギャルママと偶然再会し、彼女の優しさと気配りに心が温まった。彼女の姿が今でも目に浮かぶ。